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2017.01.17 Tuesday | - | - | -

詩、のようなものを書きたくなって


沢山の
真っ白い日々を生きていた
ときどき紙がまわってきて
その紙には はんこを押せばよかった

PCを見ながら
静止している
上司や先輩や後輩は
塑像のように見えた
とん、と叩いたら
砕けてしまいそうな
そのあと見る掌には
白い粉がついていそうな

回覧書類を回しに行くとき
会議資料を配布するとき
塑像の林立する森の中を
歩いている気がした
足音を立てないように
像たちを毀さないように
できるだけそうっと 優しく ソフトに
或いはわざと
ぶつかりたくなることもあった

事務室は灰色で明るくて窓がなかった
わたしは
いつも空を見たかったから
付箋に「空」と書いて
PCディスプレイの上部に貼り
それを見るようにしていた
付箋はブルーで小さくて
貼りっぱなしにしているとだんだん疲弊していった
ぼろぼろになったら取り換えたが

なるべく細かい文字で書いても
かならずわたしは指先を汚した
インクは指先につくとなかなか落ちない
何度も手を洗いに行き
そのたび自分が擦り減っていく気がした

退社後の
アスファルトのにおい
車が残していくテールライトの赤
重い鞄の肩紐の触感
立ち止まった時くちに含むミックスナッツの温度
ナッツはいつも平熱の温度を保ちながら
乾いた星のようにわたしの歯や舌に触れ
それが生きたあかしであるかのように
指先に
ほんのすこしだけあぶらを残した

(あしたもがんばろう)
と思う時
いつも
嘘をついている気がする
そう思うことに安堵する
(あしたもがんばろう)
と思い続けて
死んでしまった人たちがいる

家へと続く坂道をのぼっているとき
正面に月がいた
わたしたちは
ほんの少しだけ眼を合わせ
それから黙って別れていった

(2016/11/17 22:36)

2016.11.17 Thursday 08:23 | 平常運行でしょうよ。 | comments(2) | trackbacks(0)

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2017.01.17 Tuesday 08:23 | - | - | -

Comments
>橋田さん

わたしも、橋田さんに謝らなくてはいけません。
何故ならば、そのようなことがあったことをすっかり忘れていたからです。その件で脳ドックにもかかりましたが、2年以上前のことは、ほとんど完璧といっていいほど忘却しておる有様ですので…。もし、そのことで橋田さんがずっと胸を痛めていたとしたらそれこそ申し訳ないお話です。こちらの方こそ、お誘いしておきながら、おそらく具体的な話はしなかったのでしょう、昔から至らない人間ですので…すみませんでした。わざわざありがとうございます。どうかお気になさらず、今後はお楽になさっていただければ幸いです。
吉田群青 | 2016/11/19 7:39 AM
僕は吉田さんにずっと謝らなくてはならないと思っていたことがあります。

かなり以前に吉田さんから
「文集があるから寄稿されたし」というご依頼を賜り、文章をお送りしたんですが、

なにを勘違いしたのか紹介文的なものをお送りしてしまいました。

自分は何年か経ったある時ふとその間違いに気づきとても恥ずかしい気持ちになりました。


その節はごめんなさい。

今書きたくても書く場所のない詩想をもて余した自分は吉田さんの詩文を拝読してここに謝罪させていただこうと思いたちました。
橋田 | 2016/11/19 3:49 AM
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